PAL086便
Palmな人々







審査OFF潜入ルポ




水曜日の審査OFFの翌日から、
というか正確にはその深夜から
仕事の方でてんやわんやの大忙しだったため、
久しぶりの更新になった。

「Palmware & Goodz Contest」の審査OFFの日のルポは
すぐにでも書いて
すぐさまアップロードしたかったが、
結局、なんだかんだで
このルポを書くのは4日ぶりぐらいに
なってしまった。

そこで一番困ったのが、
絶対に書こう!と思っていた似顔絵。

さすがに4日もたつと
機長の記憶もかなりいい加減になっている。

というわけで、
たぶん文中に出てくるであろう
似顔絵イラストに関しては
あんまり信用しないように。

オリジナルとは全然違う顏に
なってる可能性が高い。

さて、
今回の「Palmware & Goodz Contest」がいかに
素晴らしいものだったかは
その出品作品を見ただけでもわかる。
実際にダウンロードして使ってみた人なら
もっとわかると思うが、
応募20数作品の中には
マジで名作・傑作と呼べるものが
ゴロゴロしている。

実際に、世界初!なんて機能を持った
ソフトウエアもあるし、
このまま商品にしたら世界中で売れるはず!
という代物まである。

目ざとい海外のPalm/Pilotユーザの中には
このコンテストに気づいて、
早く英語版を出してくれるように催促してきた人間も
いたらしいし、
聞くところによると、
このコンテストを知った
ザウルス陣営やPalm-size陣営が慌てて
ソフトウェアコンテストを開催している、とも聞く。

それほどまでに画期的なイベントだった
今回のコンテスト、
日本のPalm/Pilot史に残る偉業を打ち立てた
最大の立役者といえば、
この人、
「palmfan.com」廣瀬さん


ヒョロッとして温かい。
Palm(椰子の木)みたいな廣瀬さん。



機長は、渋谷の東急ハンズ前でこの人と
初めて顔を合わせた。

一目で音楽系!とわかるナイスガイだ。
アタッシュケースの中に
今回のコンテストの資料とともに
書きなぐった楽譜が詰ってたりするところが
カッコいい!

機長の仕事カバンの中に
日刊スポーツが折り畳んで押し込んであるのとは
えらい違いだ。

廣瀬さんは、
今回の大規模コンテストを
たった一人で立ち上げて
あそこまで大きなイベントに仕上げた人だけあって、
器の大きな人だ。

なんとなく茫洋とした表情、
スラリとした体形、
ボサッとした髪形のせいもあって、
機長は心の中でこう叫んだ。

「Palm/Pilot界の坂本龍馬だ」

とにかく
廣瀬さんは人の話をよく聞く。
人の意見をしっかり最後まで聞いてから
おもむろに自分の意見を語る。
とても穏やかに。
おまけに仕事が丁寧。

まさに「palmfan.com」そのままな人。

そんな廣瀬さんに連れられて、
なぜか渋谷の繁華街のど真ん中にある
メトロワークス(株)のオフィスに向かう。

CodeWarriorな会社だけに
入り口には工事中の看板(?)が!
でも、中身は工事中じゃない。
あくまで工事中はデザインだけ。

そんなメトロワークスで
同社の女性スタッフ・酒井さんに案内されて
同オフィス内にある会議室に向かう。

後で川上さんたちに教えてもらったのが、
この会議室は日本のPalm/Pilotワールド黎明期に
ディベロッパーコンファレスが
何度も開かれたという
歴史ある場所だ。

そう!あの、出席者全員に
シースルーPalm Pilotが配られたという
あの伝説のコンファレンス!

心持ち緊張しながら機長はその部屋に入った。
ま、入ってみたら普通の部屋だったが、
CodeWarriorの空き箱が
オブジェとしていくつも室内に並んでいる。
そのうちのひとつに
機長は誤ってカバンをぶつけてしまい、
へこませてしまった。
もちろん、バレないように偽装工作は済ませたが・・・。

さて、続いて機長が出会ったPalm/Pilotな人は
Palm/Pilotユーザのバイブル・
「Palm/Pilotナビゲーションブック」シリーズを作り、
雑誌「日経WinPC」にPalm/Pilotコーナーを無理やり作り、
また、神様を出版界に引きずり込んだ男としても有名な、
日経BP社川上さん


貫録と元気が共存してる川上さん。


この人はとてもエネルギッシュな人だ。
さすが、生き馬の目を抜いて輪転機で回す
出版業界の編集マン!って感じ。
広範囲な知識と行動力が
ものすごい勢いで一致してしまうという
希有なキャラクター。

笑ってしまったのは、
廣瀬さん、川上さん、機長の三人で
まずはビームを使って名刺交換をしましょうと、
それぞれのPalm IIIを取りだしたら
三人とも透明カバーだったこと。
思わず苦笑してしまった。
(三人とも毎日あのページをめくっていたらしい)

そしていざ名刺交換!
比較的慣れている川上さんが
すぐにスタンバイしてしまったその前で
廣瀬さんと機長は、
「どうやるんだ、これ?」
「名刺に設定って、これ、何?!」
「あ、来た来た!」
「このままほっといていいの?!」
・・・と大騒ぎ。

やってみたら、意外と簡単に出来てしまって、
これにはビーム処女だった機長は
腰を抜かした。
Palm IIIの名刺交換って、
めちゃくちゃ便利&お手軽!

川上さんからは
その幅広い知識から
いろんなことを教えてもらった。
あんなことや、こんなこと・・・。

「今度の日経WinPCの最新号(12月号)
『PDAフリートダイアリー』で凄い記事、
発表するからね!
これ、Palmに関するすごい特ダネだから
絶対に書いちゃダメだよ!
廣瀬さんも機長さんも
雑誌が出るまで絶対に書いちゃダメだよ!
あ!でも、よく考えたらこれ、
明日発売だから、
もう書いてもいいや!
うん、書いて!
どんどん書いて!
書いて書いて書きなぐって、
ど〜んと宣伝してれると嬉しいな!」

・・・とっても楽しい人だ。

きっと、
この人のエネルギッシュな行動力が
どちらかというとおとなしい人間の多い
日本のPalm/Pilotワールドを
ここまでナビゲートしてきてくれたんだな、と思う。

その太陽のように明るい人柄と体形から
機長は心の中で叫んだ。

「Palm/Pilot界の西郷隆盛だ!」

さて、
一番最後に現れたのは
「FPILOT」でおなじみ、みのたんさん


高熱でも、ずっと笑顔を
絶やさないみのたんさん



イラストは一番似てないし、
マフラーもしてなかったと思うが、
この日のみのたんさんは高熱を押して
会場まで来てくれた。
(コンテスト主催者の意地?)

「風邪のせいで体力的にかなり弱ってるんだよね〜」
とか言いながら、
Palm/Pilotの話になると
高熱はどこに行ったんだ?というくらいに
どんどん元気になっていくのが凄い。
根っからのパイロッターだ!

今更説明するまでもないが、
Palm/Pilot系のサイトや
PalmPilot-MLが
インターネット上で
今のように盛んになる前から、
日本のPalm/PilotワールドをNIFTY-Serve内の
FPILOTフォーラムで引っ張ってきた人。

そして、神様と並んで、
あるいは神様との名コンビで
黎明期から今日まで
日本のPalm/Pilotワールドを
代表する人物として活躍中!

さらに、今回のコンテストでは、
発案した廣瀬さんの作戦参謀として、
表から裏から横から斜めから完全バックアップして
コンテストをここまで成功させてきた張本人でもある。

とっても賑やかな性格の持ち主だが、
自分が前に出るよりも
他人をバックアップする方が大好き!という、
とっても謙虚なポリシーを持つ
不思議な人だ。

その、機敏な行動力と機転の速さ、
そして参謀役のハマり具合から、
機長は心の中で叫んだ。

「Palm/Pilot界の桂小五郎だ!」

そんなみのたんさんから聞いた話。

今から2年ほど前のIKESHOP
みのたんさん店長さんたちの前で
神様がNewtonのキーボードとPilotを
無理やり繋いでごちょごちょしてたら、
画面に文字化けの文字がちょこちょこっと並んだ。

「あ、繋がるんだ?」

「ちゃんとソフトとか作ったらNewtonキーボードで
Pilotに入力できるんじゃない?」

・・・そんなみのたんさんの言葉を聞いた神様が、
なんと翌朝にはNewton KeyboardでPilotに
文字入力できるようにするソフト(現在の「PiloKey」
作ってしまったという。

「あん時は驚いたね〜、翌朝だよ、翌朝!」

とっても嬉しそうにみのたんさんが教えてくれた。

そんな時、なんと神様から会場に電話が!

神様も審査員として来る予定だったが
急な家庭の事情で来られなくなったので
挨拶だけでも、という用件。
(なお、神様は自分も作品を出品してるのに
どうやって審査をするのか?は
「FPILOT」の神様の「ぼそっ」その15を参照)

なんとまあご丁寧な!
さすが神様。

その時、せっかくだからと
途中で電話を替わってもらった。

「は、初めまして、パーム航空のき、機長です」

電話で、とは言え、
生まれて初めて神様とお話をした。
でも、緊張して、何を話したか
全部忘れちゃった。

だって、神様だよ!

そんなこんなで、
この日集まることが出来た
廣瀬さん、川上さん、みのたんさん、
メトロワークスの酒井さん、そして機長の5人で
コンテスト出品作品のうち、Goodz系アイテムの審査。
(なお、この日の欠席した審査員は
別日に別方法で審査することになった)


いや〜、Goodz系作品をウェブ上の写真でしか見てない
皆さんには悪いが、凄い作品ばかりだ。
写真では「???」と思った作品が
意外と素晴らしい出来だったりして驚いた。
わ〜、きゃ〜言いながら審査は続く。

途中、機械に弱い機長が
とあるメカニックなGoodz系作品を
壊しそうになって冷や汗。
(ソフトリセットで事無きを得た。
どうやら機長の操作が悪かったらしい)


なお、ソフトウェア系の作品審査は、
あらかじめ自宅で書き留めたMemoPadの1ページを
廣瀬さんのPalm IIIに
ビーム転送することで一瞬にして終了。

なんとまあ、便利なPalm IIIのビーム機能!
(普段は、近くにPalm III仲間がいないのが残念!)

あれや、これや、それやの審査が終わって、
その後、仕事で外に出られない酒井さんを除いた4人で
渋谷の某居酒屋で二次会。
(マグロのカマがうまかった)

二次会の席で、
川上さんやみのたんさん口から
次々と飛び出す
とってもコンピュータなトークは
凄い話ばかり!
(Palm/Pilotに限らず、Macのこと、Windowsのこと、
Linuxのこと、とにかくいろんな話を聞かせてもらったが、
どれも、歴史的感動とスクープの連続!)


というわけで、

廣瀬さんと機長は
ポカンと口を開けて
もっぱら聞き手に回った。

とくにコンピュータ用語に関して異常にうとい機長は、
お二人の話の4割ぐらいしか理解できなかったが、
理解した4割はどれも凄い話だったので、
とにかく感動した。


普段着バージョンの機長


そんなこんなで
楽しい渋谷の夜が更けていく。

そして、

高熱のために一滴も酒が飲めないという
体調にもかかわらず、
Palm/Pilot界の桂小五郎は
我々のために楽しい話をどんどん聞かせてくれる。

「あの〜、今の○○○○って言葉、どういう意味ですか?」
という、やたらと会話を寸断する機長の無粋な質問にも、
Palm/Pilot界の西郷隆盛は嫌な顏ひとつせず
わかりやすく、そして熱心に答えてくれる。

そんな西郷隆盛と桂小五郎が交わす
お金を払いたくなるような価値ある会話を聞きながらも、
Palm/Pilot界の坂本龍馬は
みんなのために
おつまみの注文を欠かさない。

こういう素敵な面々がいる限り
機長は日本のPalm/Pilotワールドを応援したいと思う。

ところで今回は
日本のPalm/Pilotワールドを
幕末日本にたとえてきた(「神様」は吉田松陰?)が、
それじゃあ、「機長」の役回りは何か?
っていうと、

・・・たとえば、
「ええじゃないか」の先頭で踊っていた人
ってのはどうだろう?






PS:

ところで、
二人ッきりになった時、
廣瀬さんとこんな会話をした。


機長

「正直、最初はちょっと心配したけど、
歴史に残るコンテストになったと思う」


廣瀬

「うん。いろいろ大変だった時期もあるけど、
やっぱり、やって良かったな、って思ってる。
まだ全部終わってないけど(苦笑)」


機長

「来年も是非やるべきだよね!」

廣瀬

「うん。・・・でも、正直言うと、難しい。
今回、あまりにも大変すぎたから・・・。
もう一回やるとしたら、仕事やめなきゃ無理かも」


機長

「・・・もったいないな〜」

廣瀬

「うん、このまま終わるなんて
もったいないよね」


機長

「・・・」



ゼロから企画を作って、
企業スポンサー集めて、
ホームページを作って、
審査基準を作って、
作品を募集して
作品の受け渡し作業を繰り返して、
熱い作者たちとの交渉を続けて、
複雑なCGIを組んで、
投票を受け付けて、
ノンノミネート賞みたいな素敵な企画も作って、
楽しいと同時に真剣なコンテストなだけに、
たまにはいろんなことも言われたりすることもあって、
機長のようなわがままな審査員のスケジュールを調整して、
まもなく審査結果の集計と表彰をして、
・・・

みのたんさんを始めとするサポートが
あったにしても
これだけの作業をほとんど一人っきりで
こなしてきた廣瀬さんは凄い。

しかも廣瀬さんは
本業だけでも大忙しの人だったりする。
凄いだけじゃなくて、偉い!

コンテストで、
例えばノンノミネート賞で
日頃お世話になってるソフトに
感謝の心をぶつけたように
こんな廣瀬さんに
何かぶつけても罰は当たらないと思う。

ノンノミネート賞の時のように
手軽に気持ちをぶつけられるCGIはないけど、
ぶつける方法はいろいろあると思うし。

そして、
今年のコンテストやそこに集まった作品に
何か素敵なものを感じて、
(まだ終わってないけど)
来年もあればいいな!って少しでも思ったら、
これもいろいろあるよね、方法が!

機長は、
廣瀬さんのようなスーパーマンのようなマネは出来ない。
でも、廣瀬さんの1/20ぐらいの仕事を
肩代わりすることは出来る、
かもしれない。

そんな「Let's」の発想があっても
たぶん罰は当たらないと思うんだが、
どうだろう?

じゃ。







1998年11月1日






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