PAL109便
信濃富士

〜SH-Keysについて・その1〜



信濃富士INDEX





 
SH-Keysに関する
機長が自分自身のために
作った解説書を
一般向けに書き直してみた


 
■はじめに

というわけで、株式会社しなの富士通さんのSH-Keysを買った。
こ〜んな奴だ。



つっても、上に乗っているのはWorkPad日本語版(WPJ)で、
下にくっついてる奴がSH-Keysだ。


■ハードについて

ちょうど純正モデムのように
Palm/Pilot本体のシリアル部分に接続して使う。

面白いのは純正モデムと違って、
接続部分が蝶番(ちょうつがい)になっている。
だからまさにモデムのように水平に
接続することも可能(下左図)だが、
安楽椅子のように折り曲げて使うこと(下右図)も出来る。

 

その場合、安定感が悪いので、
底面にチルトスタンドという支え板がついていて、
これを広げて安定感を確保する。
この辺の構造は完璧だ。

 

チルトと言っても、冷蔵はしれくてないので注意!

なお、このチルトスタンドは伸ばさずに
安楽椅子姿勢のまま左手で固定して
右手で入力するというように、
まるで算盤のように使うことも出来る。




■固すぎた友情

ただし、接続部分が蝶番になっているという
もともとかなり無理のある構造のために
接続部分はかなり固めに設定されている。
(個体差もあるだろうが)



構造としては、
上図のリリースレバーに赤い矢印の方向で力をかけて、
Palm/Pilot本体を固定しているカムを
青い矢印の方向に開けて
Palm/Pilot本体を取り出す方式をとっている。

そのため、本体に接続するのは簡単だが、
純正モデムなんかに比べると
取り外しにちょっと戸惑う。
そのおかげで安心して使えるのだから
この辺は構造上の
もろ刃の刃(やいば)とも言える。

ところで、ここでひとつの発見があった。
最初、買ったばかりの頃、
Palm/Pilot本体を取り外すのがとっても
大変な作業だった。
固すぎて、「ガギギギ!」と嫌な音を
立てないと取り外せない状態だった。
これは不良品かな、と思った。

と、彩パームのSHIGEさんから
素晴らしいアイデアを貰った。
実は、取扱説明書についている写真には
水平接続状態のSH-KeysからPalm/Pilot本体を取り外す写真が
載っているのだが、この方法だと取り外しは異常に大変だ。
だが、SHIGEさんは、安楽椅子姿勢なら比較的簡単に
取り外せることに気づいた。



説明するとこうだ。

取扱説明書通りに水平接続のままで
開こうとすると下記のような矛盾が起きる。

リリースレバーを
赤い矢印の方向に指で力を加えることによって
Palm/Pilot本体を固定しているカムを
青い矢印の方向に開ける構造なのだが、
その際に、リリースレバーが緑色の矢印の方向に
広がろうとする。
ところが、この状態の場合、
SH-Keys本体がピンク色の矢印の方向で
そのリリースレバーの広がりを抑制してしまう。
そのために、リリースレバーが思いっきり動けない。
これが、買ってすぐに陥ったトラブルの原因だった。

でも、安楽椅子状態の場合は、
下図を見てもらえばわかるように



リリースレバーが緑色の矢印方向に
広がろうとする力を抑制する力が存在しない。
だから、水平接続状態よりも
リリースレバーが思いっきり動いてくれて、
その結果、Palm/Pilot本体の取り外しが楽になる!

発明者であるSHIGEさんの名前をとって、
この法則の名前を機長は
「SHIGE-Keys(刺激)の法則」と呼ぶことにした。

これはSH-Keysユーザなら覚えておいて損はないだろう。

では、このSH-Keysは不良品なのか?

というと、そうとばかりも言えない。
旧タイプのPalm Pilot用に設計された純正モデムや
携帯電話用モデムSnapConnectをPalm IIIに
つけた経験のある人間ならわかると思うが、
Palm IIIのような下細り形態のマシンを
固定するのは至難の業である。
ほっとくとすぐにグラグラし始める。

ところがこのSH-Keysのような
折れ曲がる構造のマシンで本体との接続がグラグラすることは
致命的な欠陥となる。

だから、どうしてもSH-KeysとPalm/Pilot本体の接続は
ちょっとやそっとでは離れないような
強力な接続でなければならないのだ。
だから、SH-KeysのPalm/Pilot本体への接続方法は
異常なほどに固い必要があった。

とは言え、しばらくSH-KeysとPalm/Pilot本体との着脱を
繰り返しているうちに、もっと素朴な問題に気づいた。
どんなに頑丈に作っても
着脱を繰り返しているうちに
だんだんとこなれてくる。
そう、最初は異常な固さに思えた
SH-KeysとPalm/Pilot本体の接続も
しばらく使っているうちにちょうどいい感じになってくる。

買ってすぐに異常な固さを経験しても
ビビる必要はない。
それは恋人というより夫婦の関係に似て、
お互いの妥協点を次第に見つけていけるはずだから。


■名称について

さて、今さらながら名前の話だ。

コイツの正式名称は
「SH-Keys・片手入力キーボード(FKB1430)」
というらしい。
でも、「GoType!」に比べるとちょっと覚えづらいので
機長は勝手に「信濃富士(しなのふじ)」と呼んでいる。
余計覚えづらいか・・・。
でも、SH-KeysのSHは開発元の
しなの富士通さん(長野県飯山市)なので
あながち間違いじゃないが、
信濃路から富士山が見えるかどうかの保証までは
機長には出来ない。
甲州路ならともかく。


■インストール

ところで、このSH-Keysはまず、
必要なファイルをPalm/Pilot本体に
インストールするところから始める。

詳しいことは取扱説明書に譲るが、
覚えておくべき基本として、

まずは付属フロッピーディスクの中身を見る。



まとめるとこうだ。
ディスクの中にある「SH-Keys」フォルダには
2つのフォルダと2つのファイルが入っている。


Sh-kj(フォルダ)
Sh-ke
(フォルダ)
自己解凍.exe
(ファイル)
CASLrt_prc
(ファイル)



「sh-kj」フォルダに入ってるのは
日本語用の4つのファイル。


SH-KJAddW.prc
SH-KJDrv.prc
SH-KJHack.prc
SH-KJSysD.prc



「sh-ke」フォルダに入ってるのは
英語用の3つのファイル。


SH-KEAddW.prc
SH-KEHack.prc
SH-KESysD.prc



さらに「CASL_pro.prc」というファイルがある。

これらを必要に応じてインストールする。

あなたが日本語しか使わないなら
「sh-kj」フォルダ内の4ファイル「CASL_pro.prc」だけを
インストールすればいいが、
英語も使う!というなら両フォルダの中身である計8つの
ファイルをインストールする必要がある。

合計で750KBもあるので、残りメモリは要注意!
(日本語500KB/英語250KB)

ここまでで一度も触れていない「自己解凍.exe」は、
デスクトップからの辞書登録の際に使う。
これについては後で触れる。
少なくともPalm/Pilotにインストールする必要はない。
というか、しちゃいけない!

そしてもうひとつ注意を忘れていた。
このSH-KeysがPalm/Pilotを乗っ取る方法は、
かつてのJ-OS Proのように「HackMaster」を使っているので、
「HackMaster」のインストールも忘れないように!
これだけは同封のフロッピーディスクには入っていないので、
自分でダウンロードして来るしかない。


■セットアップ

インストールしたら、
Palm/Pilotのランチャーに以下のアプリが並ぶことになる。


CASLrt
HackMaster
S EAddW
S ESysD
S JAddW
S JSysD
SH-K





今度は「HackMaster」を開いてみる。
するってえと、以下の2つのHack書類の名前が並んでいる。


SH-KEHack
SH-KJHack



この2つのHack書類にチェックを入れれば
第一段階準備終了。



続いて、さっきのランチャー画面に戻ってから
一番名前の短い「SH-K」アプリを開く

ここで「SH-K:」設定を「On」にすると、
「ピン!」とマヌケな音がして、
これでSH-Keysは使えるようになる。
準備完了だ。



ただし気をつけるべきは、
次にHotSyncをしようって時には
ここの「SH-K:」設定を「Off」
にしておく必要がある。
でないとHotSyncが出来ずに、
アレレ・・・と悩むことになる。

これはPalm/Pilotのシリアルポートを使う
ドライバ物には欠かせないことだが、
HotSyncの前には「Off」、
SH-Keysを使う前には「On」を
忘れないように!

そのうち、このSH-Keysが大ブレークしたら
誰かがこの操作をどこからでも出来るようにする
DAを作ってくれるかもしれない。
作ってくれないかもしれない。

なお、この「SH-K」アプリには、
「SH-K:」設定の他にも
「SH-K Mode:
Japanese / English」設定
「Keyclick: On / Off」設定という設定がある。
上の設定は、あなたが日本語を中心に使うなら
「Japanese」にしておけばいい。
でも、ここでどんな風に設定しようと、
あとで入力しながらキーボードからも
この二つのモードは切り替えられるので、
まあ、どっちにしておいてもいい。
なお、もうひとつの
「Keyclick: On / Off」設定は、
タイピングに音をつけるかどうかの設定だ。
「On」にするとピチャピチャと
タイピングに合わせて微かなキータッチ音が
鳴るようになる。
これについてはまあ、
好き嫌いで決めればいい。
機長は「Off」だ。

これであとはPalm/Pilot本体を
SH-Keysに接続して、そしてパワースイッチを
ONにすれば、いつでもSH-Keysは使える!



じゃ。




1999年3月26日



つづく

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